ばあちゃんの背中と、あの頃の空の広さ

家族
幼い頃に見上げた空。その広さを、今も心で覚えている。
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幼稚園が嫌いだったあの朝

幼稚園に行くのがたぶん嫌で、

ばあちゃんの髪の毛を引っ張りながら、おんぶされたまま降ろされまいと駄々をこねていた。

あの頃のばあちゃんの背中は、世界のすべてだった。

ぬくもりと安心があって、そこにいれば何も怖くなかった。


ばあちゃんと過ごした日々

母さんは仕事が忙しく、朝早く出て夜に帰ってくる日が多かった。

だから、いつもそばにいたのはばあちゃんだった。

幼稚園のバス旅行も、遠足も、いつも手をつないで歩いた。

お弁当の梅干しの匂い、笑う顔、風の匂い——どれも今でもはっきり思い出せる。


秘密基地と昭和の空

年長になるころ、少し知恵がついて、友だち三人で幼稚園を抜け出したことがある。

小学校のプール下に秘密基地をつくって、宝探しごっこをして遊んだ。

今思えば、なんともおおらかな時代だった。

先生たちも、もしかしたら気づいていたのかもしれない。

昭和の空は、今よりずっと広く見えていた。

 


今の時代の孫を見ながら

いまは孫が小学生になって、ランドセルを背負って登校している。

危ないことが多い世の中だから、GPSをつけて、帰宅時間もきっちり。

「昔みたいに勝手に出歩いたら大変だ」と思いながらも、

どこかで、あの自由さが少し恋しくなる。

孫には絶対させられないけれど、

あの頃の空の広さ、風の匂い、時間のゆるやかさ——

あれはもう、二度と味わえないものなんだろう。


受け継がれるぬくもり

今の孫は、カミさんとよく遊んでいる。

お菓子を作ったり、庭で虫を追いかけたり。

その様子を見ていると、昔の自分とばあちゃんが重なって見える。

ある日、ふとその話を孫にしてみた。

「昔はね、友だちと幼稚園を抜け出して、秘密基地を作ったこともあるんだよ」

そう言うと、孫は目をまるくして笑った。

「そんなことしたら先生に怒られるよ」

その無邪気な笑顔に、思わずこちらも笑ってしまった。

そして同時に、あの頃とは違う時代を生きているんだなと、しみじみ感じた。


背中で受け取ったものを、次の世代へ

六十を過ぎて、健康や年金の話題が増えたこの頃。

ばあちゃんがあの頃の自分を笑いながら背負ってくれたように、

今度は自分が、孫のわがままを包んでやれる存在でありたい。

空の広さは、きっと今も変わっていない。

けれどあの頃より少し遠く感じるのは——

たぶん、大人になった証拠なんだろう。

今日も、あの頃の空を思い出しながら、

ばあちゃんの背中のぬくもりを探している。

 

 

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